次年度繰り越し

決算書を出力すると 次年度の開始仕訳.yml という仕訳データファイルが自動的に出力されます。

たとえば 2018 年の決算書を作成して貸借対照表の期末資産として以下の勘定があったとします。

  • 普通預金 250,000
  • 売掛金  324,000

このとき 次年度の開始仕訳.yml には開始仕訳として元入金の仕訳データが自動的に出力されています。

次年度の開始仕訳.yml
- 日付: 2019-01-01 摘要: 元入金 借方: [ { 勘定科目: 売掛金, 金額: 324000 }, { 勘定科目: 普通預金, 金額: 250000 } ] 貸方: [ { 勘定科目: 元入金, 金額: 574000 } ]

この 次年度の開始仕訳.yml ファイルを 2019 年の仕訳データファイルとしてリネームすることで 新年度の仕訳入力をスムーズに始めることができます。

途中で前年の仕訳間違いに気付いたら?
確定申告に合わせて 2 月~3 月に前年の決算書を確認することも多いと思います。そのときに前年の仕訳間違いに気が付いたら 仕訳を修正して帳簿と決算書を出力し直します。このとき 次年度の開始仕訳.yml も修正されるので 既に新しい年度の仕訳入力を始めてしまっている場合は 次年度の開始仕訳.yml の仕訳をコピーして新年度の仕訳ファイルの先頭にある元入金仕訳を置き換えてください。これだけでちゃんと整合性が取れるようになっています。

複合仕訳

売掛金のところで出てきた複合仕訳について説明します。複合仕訳とは借方 貸方の勘定が 1:1 ではなく 1:N M:1 M:N となっている仕訳のことです。aoiro では借方または貸方の勘定を複数並べることで複合仕訳を入力することができます。

売掛金 324,000 普通預金 250,000 円 を元入金とする場合

上記で出てきた元入金の仕訳も複合仕訳ですね。

借方貸方
売掛金
普通預金
324,000
250,000
元入金574,000
売掛金/元入金 普通預金/元入金
- 日付: 2019-01-01 摘要: 元入金 借方: [ { 勘定科目: 売掛金, 金額: 324000 }, { 勘定科目: 普通預金, 金額: 250000 } ] 貸方: [ { 勘定科目: 元入金, 金額: 574000 } ]

仕訳データの入力自体は難しくありません。

  • 外側のカッコ [ ] は配列を表しており 中には複数の勘定を並べて書くことができます。

  • 内側のカッコ { } はそれぞれが 1 つの勘定を表しており 中に勘定科目と金額を書きます。

  • 複合仕訳の場合も借方の合計金額と貸方の合計金額が一致するというルールは変わりません。

諸口 しょくち
複合仕訳を入力すると仕訳帳と総勘定元帳には 簿記の記帳ルールに基づいて自動的に 諸口 勘定が出力されるようになっています。この処理は自動的におこなわれるため 正確な記帳ルールを知らなくても 諸口を使った正しい帳簿を作成することができます。

複合仕訳を仕訳帳に記帳する 元入金の例

複数の勘定がある場合は 1 行目に 諸口 しょくち と出力されます。

複合仕訳を総勘定元帳に記帳する 元入金の例

総勘定元帳の相手勘定科目にも 諸口 が出力されます。元入金 の相手勘定科目として 売掛金 普通預金 2 行を出力するのではなく 1 行にまとめて 諸口 としているわけです。

諸口のことを英語では sundry account サンドリ― アカウント と言います。sundry 雑多な とか 様々な という意味ですから 諸口 = 複数の勘定科目ということになりますね。相手勘定科目が複数あるので諸口 雑多な勘定科目 というわけです。

もう 1 売掛金が入金されたときに振り込み手数料が引かれていた場合のケースも見ておきましょう。

売掛金の説明のときには以下のように 2 つの仕訳を示しました。

借方貸方
普通預金215,352 売掛金215,352
借方貸方
支払手数料648 売掛金648

この仕訳は複合仕訳を使って以下のように書くことができます。

借方貸方
普通預金
支払手数料
215,352
648
売掛金216000
普通預金・支払手数料/売掛金(複合仕訳)
- 日付: 2018-04-30 摘要: 〇×株式会社 借方: [ { 勘定科目: 普通預金, 金額: 215352 }, { 勘定科目: 支払手数料, 金額: 648 } ] 貸方: [ { 勘定科目: 売掛金, 金額: 216000 } ]

複合仕訳を仕訳帳に記帳する 振込手数料を引かれたときの例

複合仕訳を総勘定元帳に記帳する 振込手数料を引かれたときの例

家事按分

自宅を事務所として使っている場合の家賃 水道光熱費 通信費を事業だけでなくプライベートでも使用している場合 その支出を全額経費として計上することはできません。

事業とプライベートの使用比率に応じて 事業使用分のみを経費として計上する必要があります。

これを 家事按分 と言います。

家事按分を仕訳として入力する方法は 2 つあります。

家事按分の方法 1 入力の都度 按分して仕訳

1 つは仕訳を入力する都度 事業使用分の経費を計算してその金額を仕訳として入力する方法です。たとえば 電話代 通信費 として毎月 3,600 円を NTT 東日本に支払っているとします。仮に事業での使用率 70% プライベートでの使用率 30%とすると…

3,600円 × 70% = 2,520円

事業での使用率 70%を掛けた 2,520 円を経費計上することになるので 以下の仕訳を作成します。

借方貸方
通信費2,520 事業主借2,520
通信費/事業主借(家事按分)
- 日付: 2018-04-26 摘要: NTT東日本 借方: [ { 勘定科目: 通信費, 金額: 2520 } ] 貸方: [ { 勘定科目: 事業主借, 金額: 2520 } ]

このように事業使用分を算出してから仕訳をしてもいいのですが この方法には 電卓を叩くのが面倒 仕訳金額がレシートや領収証の金額と一致しないので分かりにくい といったデメリットがあります。

家事按分の方法 2 決算時にまとめて按分 振替仕訳

もう 1 つの方法は期中は事業使用率を気にせずに支出金額をそのまま仕訳として入力していき 決算時に家事按分の比率に合わせた振替仕訳を作成することで調整する方法です。

aoiro はこの決算時の家事按分振替仕訳の自動作成に対応しています。

この方法を使う場合 仕訳を入力するときは支出金額 3,600 円を素直にそのまま入力することができます。

借方貸方
通信費3,600 事業主借3,600
通信費/事業主借(家事按分)
- 日付: 2018-01-26 摘要: NTT東日本 借方: [ { 勘定科目: 通信費, 金額: 3600 } ] 貸方: [ { 勘定科目: 事業主借, 金額: 3600 } ] - 日付: 2018-02-26 摘要: NTT東日本 借方: [ { 勘定科目: 通信費, 金額: 3600 } ] 貸方: [ { 勘定科目: 事業主借, 金額: 3600 } ] - 日付: 2018-03-26 摘要: NTT東日本 借方: [ { 勘定科目: 通信費, 金額: 3600 } ] 貸方: [ { 勘定科目: 事業主借, 金額: 3600 } ] (以下12月まで同様)

そして家事按分を設定します。aoiro を展開したフォルダーに default¥個人¥家事按分.yml というファイルがあるので これをテキスト エディターで開きます。文字コードは UTF-8 になっていますので UTF-8 に対応したテキスト エディターで開いてください。

家事按分.yml(変更前)
- {勘定科目: 水道光熱費, 事業割合: 100.0} - {勘定科目: 地代家賃, 事業割合: 100.0} - {勘定科目: 通信費, 事業割合: 100.0}

今回は通信費の事業割合を 100% から 70% に変更します。

家事按分.yml(変更後)
- {勘定科目: 水道光熱費, 事業割合: 100.0} - {勘定科目: 地代家賃, 事業割合: 100.0} - {勘定科目: 通信費, 事業割合: 70.0}

仕訳帳と総勘定元帳を出力してみましょう。

仕訳帳を見てみると 12 31 日の日付で 摘要欄が 家事按分 となっている仕訳が自動的に作成されています。

毎月入力してきた通信費は借方 費用の増加 でしたが 自動的に作成されたこの仕訳は通信費が貸方 費用の減少 となっています。この振替仕訳が自動作成されることで 期中に入力してきた仕訳と打ち消しあって適切な経費になるわけです。

12 ヵ月分入力した通信費の仕訳の合計は…

借方貸方
通信費43,200 事業主借43,200

自動作成された振替仕訳は

借方貸方
事業主貸12,960 通信費12,960

12,960 円という金額は通信費の合計金額 43,200 円にプライベート使用率 30%を掛けて算出されています。通信費の分類は 費用 ですから借方が費用の増加 貸方が費用の減少を表しています。借方 費用の増加 - 貸方 費用の減少 を計算してみると 30,240 円になりますね。

この 30,240 円が実際の通信費 経費 となっています。これは自分で按分計算をして 2,520 円の仕訳を 12 ヵ月入力した場合の金額と一致します。2,520 円 × 12 ヵ月 = 30,240

総勘定元帳の通信費のページも見てみましょう。

こちらの方が分かりやすいですね。毎月 3,600 円ずつ借方が積み上がっていきますが 12 31 日に貸方 12,960 円の勘定が付いて 残高が 43,200 円から 30,240 円に下がっています。

損益計算書でも 30,240 円が通信費として経費計上されているのが確認できます。

勘定科目を追加したい

aoiro には 確定申告書 B の決算書で使われている勘定科目があらかじめ登録されています。

aoiro を展開したフォルダーに default¥個人¥勘定科目.yml というファイルがあります。このファイルを編集することで独自の勘定科目を追加することができます。文字コードは UTF-8 になっていますので UTF-8 に対応したテキスト エディターで開いてください。