免税事業者

売上 1,000 万円以下の事業者は免税事業者になることができ 免税事業者は消費税の納税が免除されます。

売上が 1,000 万円を超えると 2 年後に課税事業者になり消費税を納税しなければならなくなります。現時点で免税事業者であるなら今年の売上が 1,500 万円になったとしても消費税を納める必要はありません。また 2 年後に課税事業者になってしまった場合は 2 年後の売上が 500 万円だったとしても消費税を納める必要があります。

厳密にはもっと細かい判定ルールがあります。事業初年度で会計期間が 12 ヶ月に満たない場合や輸出入やインターネットで海外取引がある場合など詳細は国税庁のサイトで確認してください。

税込経理方式

免税事業者は必ず税込経理方式で仕訳をしなければいけません。

本体価格 500 円+消費税 50 円の商品を販売した場合 売上 550 円として仕訳をします。

借方貸方
現金550 売上550

本体価格 100 円+消費税 10 円の消耗品を購入して経費とする場合 消耗品費 110 円として仕訳をします。

借方貸方
消耗品費110 現金110

免税事業者の場合はこれだけで終わりです。とても簡単ですね。消費税の納税が免除されているので 期末決算で納付する消費税額を計算する必要がありません。

免税事業者はどのくらい得してる?

消費税を納めない免税事業者がお客さんから消費税をとるのはおかしい!

こんなことを言う人がいます。

でも ちょっと待ってください。たしかに 免税事業者は消費税の納付が免除されていることで受け取った消費税の一部が利益になっていることがあります。これを益税といいます

ですが 免税事業者の益税はわずかであり 受け取った消費税がまるごと利益になっているわけではないんです。

たとえば 1,000 円の商品を販売して 100 円の消費税を受け取ったとします。このとき消費税分の 100 円がまるごと免税事業者の利益になったりはしません。益税として得られるのは せいぜい 20~30 円くらいでしょうか。免税事業者なんだから消費税分は払わなくてもいいだろ?まけてくれよ なんて言われて 100 円値引きしてしまうと免税事業者は逆に損をしてしまいます。益税を原資として値引きできるのは 20 売上の 2% くらいのものです。

なぜ免税事業者の受け取った消費税はまるごと利益にならないのでしょうか?

免税事業者は 所得税 住民税 国民健康保険料 が高くなる

免税事業者は税込経理方式で仕訳をする必要があります。税込経理方式税抜経理方式の仕訳を比較してみましょう。

税込経理方式の場合…

借方貸方
現金550 売上550

税抜経理方式の場合…

借方貸方
現金500 売上
仮受消費税等
500
50

同じ取引であっても 税抜経理方式は売上 500 税込経理方式は売上 550 円という違いがでます。税込経理方式しか選択できない免税事業者は売上が高くなってしまうのです。収益勘定である売上が高くなると利益 所得 も高くなります。結果として 免税事業者は 同規模の取引をしている 課税事業者よりも所得税 住民税 国民健康保険料が高くなります。

課税事業者だって受け取った消費税をすべて納税しているわけじゃない

このことを知らない一般消費者も多いと思います。

1,000 円の商品を販売して 100 円の消費税を受け取ったからといって消費税 100 円をそのまま納めるわけではありません。400 円の仕入をして 40 円の消費税を払っていたら その分の仕入税額を引いて 100 - 40 = 60 円を納税します。これを仕入税額控除といいます

課税事業者は 仕入で払った分の消費税を返してもらえる 差し引ける わけです。事業が赤字で売上よりも仕入のほうが大きい場合には還付まで受けることができます。

消費税の還付が受けられるのは本則課税だけ!
還付が受けられるのは本則課税の場合だけです。簡易課税はみなし仕入率を使って算出するので仕入超過になることがなく還付を受けられません。事業が軌道に乗るまでしばらく赤字が続きそうなら 売上 1,000 万円未満で課税事業者 本則課税 を選択するのもアリかもしれません。

ところが 免税事業者は仕入税額を控除できません。免税事業者は仕入にかかった消費税を払いっぱなしになります。ただし 支払った消費税分も費用に計上されますから利益を圧縮する効果はあります

免税事業者の益税について批判されたら以下のことを説明しましょう 😎

  •  免税事業者は所得税 住民税 国民健康保険料を多く払っている
  •  仕入税額を控除できない免税事業者は仕入で消費税を負担している
  •  赤字のときはむしろ課税事業者より多くの消費税を負担している

免税事業者だからと負い目を感じる必要はないです。